サンジが見えなくなって二つ目の曲がり角。
 ゾロは、詰めていた息をほうっと吐き出すと、立ち止まって澄んだ夜空を見上げた。
 ――お互いに別れ難くて、結局こんな時間になってしまった。
 あの後、だんだんと昂ぶりが収まってくるにつれて、互いに気恥ずかしくてたまらなかった。
 けれども、今日初めて知った本心に、素直に喜びがこみ上げる。

 明日の朝、どんな顔して学校行きゃあいいんだろう。
 そして、あいつはどんな顔して来るんだろう。
 願わくはどうか、幸せに微笑っていられるといい。
 
 今年はここ数年来一番の酷寒だと、気象予報士は予言していたけれど。
 温もりの残る左手のひらは、まだまだ雪の時期ではないと、主張するようにいつまでも暖かだった。




Happy Birthday Roronoa Zoro!!