「愛しのレディ達、おやつですよ〜!」
 くるくると謎のステップを踏みながら、サンジがトレイを片手に女性陣のもとへと歩み寄る。ふわりと優雅な手つきでミニテーブルにグラスを置くと、二人の口から嬉しげな溜め息が零れた。
「素敵〜。涼しげでいいわね。」
 そう言ってナミが器を取ると、ロビンも本当ね、美味しそうだわと微笑んだ。
 今日のおやつは、ほんのりと甘い白桃のソルベにピンクのピーチソースを軽く絡ませた、目にも可愛らしい1品だ。彩りとして、小さなミントの葉が飾られているのも清涼感がある。背の低いカクテルグラスがしっとりと細かい汗を掻いていて、時折水滴が重力に負けてするりと滑り落ちていく。
 比較的にシンプルだけれど、今日のようにさんさんと日差しの降り注ぐ気候では、それはまた格別のご馳走となるのだ。
「うひょおぅ、ナミ、美味っそうだなー! サンジィ、俺も俺も!」
「「俺たちにも!!」」
 甘い匂いに釣られたのか、年少組がわらわらと寄ってくる。ナミとロビンの手元に腕を伸ばすのを容赦なく足蹴にして、サンジはくい、とキッチンの扉を親指で示した。
「今から2分後、おとなしくテーブルに付けた奴にだけ出してやろう。他のもんに手ぇ出すんじゃねえぞ。」
 わっと駆け出した3人に苦笑を漏らして、少女の顔になった二人が冷えたスプーンに唇を寄せる。
「んん、おいしーい!」
 ナミが歓声を上げる。ロビンも言葉にこそしていないが、満足そうににこにこしている。
 あまりゆっくりしているとあいつらが痺れを切らす。サンジはにこ、と一つ笑みを残して、
「後で器、取りに来るからごゆっくり。」
 キッチンへと、足を向けた。




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